一酸化炭素(CO)中毒とその事故実態について、教えて下さい。

室内の空気を利用して燃焼させる燃焼器の場合、給排気を十分行わないと燃焼に必要な空気中の酸素が不足して不完全燃焼が起こり、一酸化炭素(CO)中毒に至るケースがあります。

そもそも一酸化炭素は、無色、無味、無臭の気体ですが、血液中の酸素の搬体であるヘモグロビンとの結合力が強いため、これを呼吸すると血液の酸素の運搬能力を著しく損ない、この中毒症状を引き起こすといわれています。症状は、一酸化炭素の空気中濃度、 吸入時間によって大きく左右されますが、重い場合は死に至ります。

LPガス世帯では、毎年この一酸化炭素中毒事故が10件程度(酸欠事故含む)起きており、2~4人の死亡者が出ていますので、不完全燃焼防止装置付ガス器具を用いるか、給排気には十分注意しましょう。

CO濃度とCO中毒の症状
雰囲気空気
(O2濃度21%)
中における
CO濃度(%)
吸入時間と中毒症状
0.02 25分~1時間で軽い頭痛、1時間で頭痛・側頭部の脈動
0.03 15~40分間で軽い頭痛、40分で頭痛・側頭部の脈動
0.06 5~15分間で軽い頭痛、15~25分間で頭痛・側頭部の脈動
25~40分間で、強い頭痛・吐気、40分で激しい頭痛・嘔吐・失神
0.09 10~15分間で頭痛、15~25分間で強い頭痛・めまい・吐気
25~45分間で、激しい頭痛・失神・嘔吐、45分で失神・けいれん、昏睡
0.12 10~20分間で強い頭痛・吐気、20~30分間で激しい頭痛・嘔吐・失神
30~50分間で失神・けいれん・昏睡、50分でけいれんを伴う昏睡
0.15 10~15分間で激しい頭痛・失神、15~25分間で失神・けいれん・昏睡
25~50分間でけいれんを伴う昏睡、40分で呼吸不全そして死亡
0.18 5~10分間で激しい頭痛・失神、10~20分で失神・けいれん・昏睡
20~40分間でけいれんを伴う昏睡、40分で呼吸不全そして死亡
0.5 4~5分間で失神・けいれん・昏睡、5~6分間でけいれんを伴う昏睡
6~7分間で呼吸不全そして死亡、7分で急速な死亡